コラム

役員給与と役員賞与の統計データがネットで見れる

2012年6月6日 | 中小企業と経営

役員給与や役員賞与の平均額を知ることができる

税務研究会が発行している週刊税務通信に興味深い記事がありました。
「他社の支給額はコレだ!(No.3214)」という記事です。
この記事によれば、平成22年度の役員給与平均額は約4,635,156円、役員賞与の平均額は約96,698円とのこと。

このデータは、財務省・財務総合政策研究所が調査した「法人企業統計年報」によるものとのことです。

おもしろいおもしろい。

ということで、ネットで探してみるとありました!

http://www.mof.go.jp/pri/publication/zaikin_geppo/hyou/g714/714.htm

公表されているデータを開いてみても税務通信に掲載されているデータが見つかりません。

???

よく見てみると下の方に付加価値額というデータがあります。

そして、そのさらに下に役員数と従業員数が掲載されているではありませんか。

このデータに基づいて独自に計算したもののようです。
税務研究会が費用をかけて算定したものなので、ここに掲載することはいたしません。税務通信平成24年5月28日号をご覧頂くのがよろしいかと思います。

なお、「法人企業統計年報」には、役員給与や役員賞与に限らず、色々な財務データが豊富に掲載されています。しかもEXCELデータで公表されているので加工も簡単です。

業種区分が例によってお役所の区分ですからメッシュが粗すぎるともいえますが、貴重な情報元であることは事実ですね。
しかも、会社の規模別にデータが整理されているのもありがたいものです。

町の税理士の感覚としては、記事に掲載されている役員報酬額が低いようにも感じますけど、平均するとこうなってしまうのでしょうかね。

会社法監査で監査人ローテーションが必須とは限らない

2012年4月13日 | 中小企業と経営 / 資金調達と決算書

大会社等の監査人ローテーション

会計士協会から平成24年3月30日に『自主規制・業務本部 平成24年審理通達第2号「大会社等の監査における継続的監査の制限の確認について」』というのが出ていました。現在は消されてしまっていますけど。

要するに、大会社等の公認会計士監査は最長7年間しか同一の公認会計士は実施できません!という規制です。

平成23年3月決算が最後ですから注意してね!という通達です。

今頃言うな!という突っ込みがあちこちから上がっていたので、ネットから削除したのでしょうか?

会社法監査が当然に規制対象になるわけではない

そんなことはどうでもいいのですけど、『大会社等の監査』と『(会社法の)大会社の監査』は必ず一致するわけではないことに注意が必要です。
実は両者は全く別のものなのです。

『大会社等の監査』とは、公認会計士法で定める「大会社等」の監査を意味しており、会社法が定める「大会社」とは異なるのです。

公認会計士法第24条の2
公認会計士は、当該公認会計士、その配偶者又は当該公認会計士若しくはその配偶者が実質的に支配していると認められるものとして内閣府令で定める関係を有する法人その他の団体が、次の各号のいずれかに該当する者(以下「大会社等」という。)から第2条第2項の業務(内閣府令で定めるものに限る。)により継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類について、同条第1項の業務を行ってはならない。
1 会計監査人設置会社(資本金の額、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した合計額その他の事項を勘案して政令で定める者を除く。
2 金融商品取引法第193条の2第1項又は第2項の規定により監査証明を受けなければならない者(政令で定める者を除く。)
(以下省略)

公認会計士法第24条の3
公認会計士は、大会社等の7会計期間(事業年度その他これに準ずる期間をいう。以下同じ。)の範囲内で政令で定める連続する会計期間(当該連続する会計期間に準ずるものとして内閣府令で定める会計期間にあっては、当該会計期間。以下この項、第34条の11の3及び第34条の11の4第1項において「連続会計期間」という。)のすべての会計期間に係る財務書類の監査関連業務を行った場合には、当該連続会計期間の翌会計期間以後の政令で定める会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行ってはならない。(以下省略)

公認会計士法施行令第8条
法第24条の2第1号(法第16条の2第6項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める者は、最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が100億円未満であり、かつ、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が1000億円未満の株式会社とする。

要するに、

会社法の大会社 資本金が5億円以上、または、負債の総額が200億円以上
会計士法上の大会社等 資本金が100億円以上または、負債の総額が1000億円以上

ということで、金商法により監査を受けなければならない大会社等でなければ、会社法の大会社であっても直ちに公認会計士のローテーションが必要なわけではないということになります。
ちなみに、会社法の大会社は12000社もあるのだそうです。

「国税記者  実録マルサの世界」

2012年3月21日 | 中小企業と経営 / 税金の基礎知識 / 読書

この本を手にとる人は、税理士業務に関係している人か、無理な税金対策を行っている経営者がほとんどではないでしょうか。国税局査察部とは全く無縁!という人はそもそも興味を持たないでしょう。

20年来の不景気で脱税事件として摘発される規模は年々小さくなってきています。増差所得で1億円超がひとつの目安と言われており、この本の中でもそのように解説されています。
増差所得1億円なんて自分には関係ない!とお考えの方、意外とそうでもないかもしれません。なぜなら、ここでの増差所得は3年間の累計だからです。悪質な所得隠しの場合には7年間遡及して国税当局は更正できますからもっと範囲は広がります。査察部が実際に刑事告発できるのは、告発のための証拠固めの時間を考慮すると3年なのだそうです。調査対象は5年~7年ということになるのでしょう。単純計算すると年3,300万円以上の所得漏れがあると告発レベルになってしまうようです。期ズレは度外視して考えてのことですけどね。

脱税の手口は、売上を隠す方法(売上除外)、不正な経費を計上する方法(架空経費の計上)、その組み合わせの3パターンに分類されると記述されています。確かにその通りです。

なぜ、こんな所得隠しを行ってしまうのか?
著者は、急激な売上増加の発生で、想像以上の法人税の課税が予想されるとついもったいなくなって(汗)やってしまうパターンが多いと解説しています。景気がいいのは今だけかもしれない、落ち込んだときの資金を確保しておかないと大変なことになってしまうのだから備えておかないと。。。といった心理状態に、経営者は陥ることがあるということなのでしょう。
実際には、これぐらいみんなやっている、大した金額ではないから大丈夫だろう!から始まってどんどん加速してしまった、あるいは、今やめたら過去の処理が疑われるからまずい!という心理パターンもあるかもしれません。

本書は、国税局付きの記者という立場から取材した脱税事件について解説が行われています。国税職員には2重の守秘義務が課されているので絶対に調査情報を漏らさない!!と何箇所にも記載されているのですが、国税局職員から情報を入手した!という部分もあって違和感がありました。実際には多少漏れてしまっているのでしょうかね。手口が詳述されていますが、基本的に地検特捜部が告発した事件を取り上げていますから、裁判上の情報に依拠しているのかもしれません。

くれぐれも手口をマネしないことです。
査察部とまでは行かないまでも、所轄税務署でも管轄内の法人をよく分析しているものです。もちろん、料調(リョウチョウ)も監視しているでしょうから、良からぬことは考えない方がよいです。
ちょっと検索してみれば、脱漏所得金額の年平均額が2,000万円から3,000万円ぐらいのものが意外と多いことがわかります。




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上原将人(上原公認会計士事務所) × 阿部淳也(1PAC. INC.)

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