コラム

友人と始める起業

2011年3月8日 | 起業支援

共同起業に明確な理由はありますか?

当事務所で行ってきた無料相談に友人と一緒に起業を計画しているという方が時々いらっしゃいます。

こんなとき僕は、友人と共同で起業する理由を質問しています。

明確に合理性を説明してくださる方もいるし、一人でやるよりも安全だからという方もおられます。

なぜこのような質問をするのか。

それは、共同起業者同士に依存的な意識がないかを確認するためです。

友人同士で起業するならば、お互いが「パートナーがたまたま友人であった」という認識でないとうまくいかないものです。
お互いのリスクを回避するためだとか、一方が相手のバックボーン(人脈や営業力、あるいは、開発能力や専門技術)に期待しているような場合、一方に依存関係があるのではないかと冷静に考えてみる必要があると思います。

起業にはリスクがつきものです。いい時があれば苦しい時もあります。安定性を期待する段階で起業に不向きかもしれません。期待通りの実績が達成できなかった場合、その共同事業は急速に冷え込んでしまうものです。最終的に友人関係まで壊れてしまうこともあります。

共同で起業するならトップを明確に

2人で起業して、「俺が社長、お前は専務!」のように役職設定されることがあります。
ここで言いたいのは、役職の問題ではありません。トップになる人は、会社についての全責任を負う覚悟で望まなければならないということです。

「俺が社長、お前は専務!」でも構いません。しかし、社長になるのであれば、専務が期待通りの仕事ができなかったとしても、その生活を背負う覚悟が必要だと思います。あるいは、専務が脱落したとしても経営を維持できる体制を構築しておくことを最初から考えると思います。
このような覚悟を持てば、社長は会社の資本を全額(少なくとも2/3以上)負担することを望むでしょう。自分自身の判断だけで乗り越えていくために不可欠な要素だからです。

資本的な問題だけではありません。相棒以上に仕事し、何がなんでも事業を立ち上げる覚悟を持たなければなりません。

・ 俺が社長なんだから、相棒よりも給与は上で当たり前。
・ 社長は経営判断をするのだから、相棒は実務を処理するのが当たり前。

一番身近な相棒がトップとして認め続けることができなければ、いずれ両者の関係は壊れてしまうかもしれません。

トップはこのことをよく自覚して会社を牽引していく人でなければなりません。

ナンバー2の自覚

ナンバー2になる人は、自分がナンバー2であることの必然性を自覚していなければなりません。トップに従属的だとか依存的だからナンバー2だということを自覚するのではありません。

経営面でトップに一目を置きつつ、自分自身がその会社に不可欠であることを自覚しているということです。あるいは、お互いにそれぞれの役割を認識し、相互にかみあっていることが大切です。
一人で起業することが不安だから、営業が苦手だからといった理由でナンバー2!なんて消極的な自覚ではいけません。

小規模であればあるほど、パートナー同士の信頼関係と協力関係が不可欠になります。

何でも平等?

共同起業でときどき見かける事例に次のようなものがあります。

  • 資本は半々
  • お互いに代表取締役
  • お互いに給与が同額
  • このような形式を考えられている場合には、その必然性についてよく考えてみてもらいたいです。
    せっかく一緒に起業したのに、1~2年後にそれぞれ別会社を作っている(汗)というケースによく見られる事例なのです。





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