コラム

複製画は経費処理できる

2012年5月16日 | 税金の基礎知識

なんでもかんでも非償却なわけではない

応接室などに飾る絵画などを非償却の資産として処理していませんか?
購入価額が高くても減価償却資産にできることがあります。

法人税基本通達 7-1-1
書画骨とう等
書画骨とう(複製のようなもので、単に装飾的目的にのみ使用されるものを除く。以下7-1-1において同じ。)のように、時の経過によりその価値が減少しない資産は減価償却資産に該当しないのであるが、次に掲げるようなものは原則として書画骨とうに該当する。
(1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2)美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等
(注)書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号ニ万円)未満であるものについては、減価償却資産として取り扱うことができるものとする。

要するに、

  1. 複製画はそもそもここでいう書画骨とう(非償却資産)にならない
  2. がん作であることがわかっている作品も書画骨とうにならない
  3. 取得時点で美術年間に名前が掲載されていない作者の作品は書画骨とうにならないことがある
  4. 20万円(絵画は号2万円)未満なら書画骨とうにはならない

絵画に関しては形式基準で判断

絵画は取得価額を号で割ってみて、2万円未満なら問答無用で書画骨とう(非償却資産)にならない訳です。

絵画の号は、ここで検索してみてください。

複製品や号2万円未満の絵画でも購入価額が20万円を超えていれば減価償却資産には該当することになります。一括で費用処理できませんけど、減価償却により費用化できますのでご注意ください。

なお、美術年鑑に掲載される価格というのも色々事情があるもののようです。
現役作家の評価が高くなっていることがあるとの指摘もありますから、納得いかない場合には美術品の専門家に相談してみてもよいかもしれません。相続時にいくらぐらいの評価になるのかという目安にもなるかもしれません。





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